グラスフェッドとは?

 

食べれば食べるほど、やせる牛肉

自然の環境で放牧され、牧草のみで飼育された牛のことで「グラス・フェッド・ビーフ」(牧草飼育牛)と呼ばれています。

このグラス・フェッド・ビーフこそが「食べ続けるとやせる」といわれる牛肉で、肉質は赤身が多く、肉本来のかみ応えと香りが楽しめます。私も何度か食していますが、いわゆる、霜降り牛肉の脂肪の入り方をしておらず、切断面がきれいな赤身を主張してきて、非常にかみ応えがありました。これが牛本来の肉の味と高い香りなのかとかみしめつつ、深い味わいを楽しむことができます。
 
グラスフェッドがはやり始めているのは「やせる」「体に良い」という時代にマッチしたキーワードが先行しているからです。牛はもともと草だけを食べて生きる反すう動物で、4つの胃袋を持ち、何度もかみ返しながら牧草を消化します。日本で輸入可能なグラス・フェッド・ビーフの主産地であるニュージーランド、オーストラリアは、豊富な降雨量に恵まれ、長い日照時間等、牧草が育つには絶好の環境です。グラスフェッドは、ストレスのない環境での自然な飼育方法が牛本来の効果を引き出しています。
 
一方、普段、われわれが食べている牛肉は「グレイン・フェッド・ビーフ」(穀物飼育牛)と呼ばれ、穀物で飼育されています。日本では、霜降り牛肉を生産するために、牛舎内のさくに入れ、高カロリーの穀物飼料を与えて運動を制限し、人工的に太らせる飼育が主流です。
 
グラス・フェッド・ビーフ、グレイン・フェッド・ビーフのどちらが良いというのはありません。ただし、夜に2か月グラスフェッドを食べ続けた結果、肌がきれいになり、安眠で疲れづらく、体調良好、おまけにやせる肉体を手に入れることができたといいます。摂取することで、減量、美容、脳機能の改善、病気予防(がん予防や糖尿病の改善)にも効果的だといわれています。人類が古来から食してきた牛肉はグラス・フェッド・ビーフであり、グレイン・フェッド・ビーフと比較しても高い栄養価を保有しています。ストレスなく自然に育ったグラスフェッドが牛肉の持つ本来の効果を発揮するのもわからなくありません。
 
 

 

やせる体と健康な体に効果的な3つの理由

オメガ3という良質な脂質(グレイン・フェッド・ビーフの2~5倍)

代表格であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(イコサペンタエン酸)は中性脂肪や悪玉コレステロール値を下げるだけでなく、血流を良くして代謝を改善させ、肌のハリを整え美肌効果があります。まさに良いことずくめの脂質です。
 
 

タンパク質が豊富

トリプトファンという体内で合成できない必須アミノ酸の一種を多く含んでいます。必須アミノ酸は9種類あり、グラス・フェッド・ビーフは多くのタンパク質を摂取できる貴重な食物です。この成分は気持ちを明るくし、安眠へと導く作用があります。
 
 

共役リノール酸とカルニチンで脂肪燃焼(グレイン・フェッド・ビーフの2~5倍)

この2つがグラス・フェッド・ビーフの特徴であるやせる成分(脂肪燃焼効果)になり、豊富に含まれています。共役リノール酸は不飽和脂肪酸の一種で、体重を減らし、肝機能を向上させ、がんのリスクを低減します。カルニチンは脂肪酸体内燃焼に不可欠な物質であり、体脂肪燃焼やスタミナ源としての効果が期待されています。カルニチンは、脂肪酸をミトコンドリアに運搬する役目を担っており、体脂肪の燃焼を促進することで、ダイエットのサプリメントとして人気があります。草食動物由来の動物に多く含まれています。
 
今回はやせる体と健康な体に効果的な成分をご紹介しましたが、その他、ベータカロチン、ビタミンE、ビタミンB、鉄分も多く含有されています。
 
 

グラスフェッドビーフの効果的な食べ方

食べ続けて健康的にやせるために必要なのは、効果的な成分を持つグラス・フェッド・ビーフを継続的に食べ続けることです。継続することで、脂肪を燃焼させていくことになります。運動以外で筋肉量と脂肪の増減に大きく影響するのがタンパク質です。タンパク質が不足すると、原料不足で筋肉が減り、代謝が落ちて太りやすい体になってしまいますので、筋肉量の維持は必要です。このタンパク質を効果的に補充してくれているのが豊富な赤身量を誇るグラス・フェッド・ビーフなのです。グラス・フェッド・ビーフの摂取量の目安としては、1日当たり300~500グラムが理想的です。
 

やせることを考えるのであれば、合わせて糖質制限も必要不可欠なセットになります。糖質とは炭水化物から食物繊維を引いた残りの栄養素です。糖質と聞くと砂糖やお菓子を思い浮かべる人が多いようですが、主食と呼ばれるご飯、パンや麺類等にも豊富に含まれています。糖質制限食とはこのような炭水化物を極力控え、肉、魚、チーズ等の主成分がタンパク質、脂質の食品や葉物野菜を食べる食事法です。糖質制限の最大のメリットは、カロリー制限と違い、量を規制することもなく食べることができる点にあります。